大浦町にある小さな文房具屋さん てがみ屋

  • 2022.05.25
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保存修理工事中の旧長崎英国領事館へ行ってきました

5/21(土)「長崎居留地歴史まちづくり協議会」の方々と一緒に、(2014年~2025年まで)保存修理工事中の「旧長崎英国領事館」の内部見学に行って参りました。

(ここから先「英国領事館」と書かせてもらいます)

114年前に建てられた「英国領事館」の敷地はとても広く、当時は以下の建物がありました。
■2F建ての本館:「領事館」と「領事の住居」
■平屋の付属室:厨房など
■2F建ての「外国人職員住宅」と「日本人職員住宅」 などなど・・・
ちなみに長崎のように領事館の中に領事の住まいがあるところは珍しいそうです。

腐朽や汚損はあるものの、建物や煉瓦塀、門にいたるまで、建築当時の状態が残っています。

ちなみに私が子どもの頃は「児童科学館」として使われていました。
今考えるととても贅沢な空間だったとノスタルジックな気分になるのですが、子どもの頃は修学旅行で行った熊本の科学館と比べて「ちゃちいなぁっ」て思っていた。

では工事の様子を写真付きでどうぞ。

※以下の写真等は長崎市職員の方に掲載の許可をいただいて掲載しておりますが、もしも内容に不備等ありましたら、教えてください。

本館屋根部分

現在工事中に風雨にさらされないように、素屋根と呼ばれる大きな囲いの中に「英国領事館」はあります。(ちなみにこの素屋根部分は8月から解体が始まり、秋ごろに本館の屋根部分がお目見えするそうです)

本館屋根と素屋根の写真がこちら↓

ここで特筆すべきは何と言っても桟瓦の屋根です。

実は建築当時はこのような桟瓦葺だったのですが、途中で銅板の屋根に変わり、戦争前に銅板が盗難に遭ったため最終的にカラー鉄板瓦だったようです。

そして、もう一つ煙突近くにあります三角部分の妻ですが、写真では煙突よりも外側にありますよね。
実は改修工事が始まる前は煙突よりも内側にあったんです!
114年の間に建設当初の姿からちょとずつ変わった部分がいくつかあるんですね。
今回の改修工事では、建設当初の古写真などの資料を基に、できるだけ忠実に再現をしているそうです。

本館2F部分

さて、2Fへ降りてきました。

特徴的な正面2F部分の丸窓です。
凝った造りですね。明治期~大正期の建物ってどうしてこんなに素敵なんだろう。
逆に今はどうしてできないんだろう?

正面2Fの石柱
こんなペアの円柱のことを「カップルドコラム」というそうです。

2Fの部屋の様子です。

ここでまた復元ポイント!
壁をご覧ください。
今は壁紙を剥がして、中の煉瓦が見えている状況ですが、建築当初の壁紙の色は部屋ごとに違ったそうです。「科学館」や「野口彌太郎美術館」として使用されている間に壁が塗り替えられていたそうです。

今回の復元工事で、建築当初の色に戻していくとのこと、楽しみですね!

 

さて、下の写真の窓枠ですが緑色ですよね。

そして煉瓦の積み方はイギリス積み

窓枠の色や煉瓦の積み方などが英国の建物の特徴らしいです。

そして、煉瓦と煉瓦の間の目地ですが、よーくみると真ん中が”ぷっくり”としているんです。
通常の目地の塗り方は平らに塗るそうなのですが、このように“ぷっくり”とぬる塗り方を覆輪目地というそうです。これも建設当初の工法でやっているそう。かなり手間暇かかっていますよね。

ちなみに東京駅も覆輪目地なんだそうです(東京駅は白い目地)

本館1F部分

1Fに降りてきました。
1Fの間取りも建築当初と変わっていたらしくて、今もとに戻しているところだそうです。

1Fから見上げたらこんな感じです

なんか足場の感じとかもグッとくるなぁ。

で、ここから地下に降りて行くんですけど
(これこそ工事期間じゃないと見れないところですね)

ずっと建築当初と同じ姿に復元修理していると書いていたのですが、今回どうしても復元できなかった場所がこの基礎の部分なのです。

建物の耐震検査をした結果、大きな地震が来た場合崩れる可能性があると判断され、耐震・免振工事をすることになったそうです。(この場所は元々海を埋め立てした埋立地です)

この写真が免振ゴムの部分です。

お話を聞いていて驚いたのですが、実は建物の土地自体片側が30cmも下がっていたそうです。
もっと驚いたことに、建築時から片側の地盤の沈下が進み、実は当初から土地が斜めになっていたらしいです。そこで建物部分で帳尻を合わせていたらしい。

つまり、地盤が沈下した方の高さを大きめに作って建物の1F部分や2F部分は平行になるように作ったということらしい。

今回建物をそのままの状態で土地を平らにして復元していくと、逆に斜めの建物になってしまうので、今回の工事ですべてきれいに修繕していくそうです。

うまく言葉にできないのですが、伝わってますかね??

敷地内外国人職員住宅

こちらは本館と比べて修繕するところが少なかったそうで、あと少しで完成するそうです。
外国人用の職員住宅が「煉瓦錬」で、この隣に日本人用の職員住宅「木造錬」がありました。

木造の方は白アリの被害が酷かった点と、工事車両の駐車スペースを敷地内に確保するために一旦取り壊して、もう一度再利用できる部分は別の場所に保管しているそうです。

ちなみに日本人用の宿舎は畳敷きだったそうです。

これは職員用のトイレだったそうです。
こんな感じで、ほぼすべての建物が残っているんですよね。

 

さて、いかがだったでしょうか?
この見学ツアーの後は、歴まちメンバーで活用方法の提案などをさせていただきました。
もちろん、あくまで市民の意見としてですので、今後どういう活用方法になるかは分かりませんが、私としては、出来上がったこの建物の中で「大橋トリオ」さんのLIVEが開催されることを妄想してこのブログを終わりにしたいと思います。

あー、長崎最高!